ヘルプデスクツールが課題を解決
これらの課題を解決するために、ヘルプデスクツールの導入が検討されます。
ヘルプデスクツールの代表的な機能を紹介します。
(1)対応状況の可視化
ヘルプデスクツールはインシデントの担当者やその対応状況を一元化・可視化し、対応の漏れを防ぎます。
ツールによっては、問い合わせを「チケット」という概念で管理し、問い合わせ管理機能を「チケット管理機能」とも呼びます。
また、日本コールセンター協会の調査によると、近年、電話応対業務だけではなく、E-mail、Webフォーム、ソーシャルメディア業務、チャット業務など複数チャネルに対応するコンタクトセンターが増えています。
多くのヘルプデスクツールは、E-mail、チャット、電話など複数チャネルの問い合わせを一か所に集約させる機能が備わっています
ヘルプデスクツールは問い合わせを1つのシステム上に集約してスタッフ間で共有し、オペレータ間の連携やダブルチェックを強化します。
(2)問い合わせに対してクローズまでの効率化が図れる
ヘルプデスクツールはインシデントをクローズするまでの時間も短縮します。
1つ目のポイントは「自動化」です。ヘルプデスクツールは問い合わせに自動でタグ付けし、適切な担当者へ振り当てます。
例えば、購入前の問い合わせはコールセンターに割り振り購入後のテクニカルな問い合わせには別のタグを付けてシステム部門に割り振ったり、問い合わせ対象製品ごとに別々の対応チームを編成したりすることが可能です。
2つ目は「テンプレート機能」です。
ヘルプデスクツールにはテンプレート機能が備わっています。メール返信の際に1から文章を作ること無く、予めよくある質問の回答テンプレートを用意しておくことができます。テンプレート機能を活用すれば、オペレータのメールやチャット対応の時間が大きく短縮されます。
(3)FAQページの製作機能
多くのヘルプデスクツールにはヘルプデスク部門がFAQサイトを製作、更新するための機能が備わっています。
オペレータはこのFAQを参照し、速やかに問い合わせ対応を完了することができます。熟練度の低い担当者でも、ベストプラクティクスとしてFAQを活用すればユーザー対応の品質を均一化されます。
また、顧客がこのFAQを参照することで問い合わせをすることなく自己解決ができるため、問い合わせ量の削減につながります。
従来、「よくある質問ページ」の制作は、Web担当部門で行われていました。
Web担当部門主導のFAQ作成には以下のような課題があります。
- 対応部署が異なるため、顧客の声を即時反映できない
- 顧客視点でのサイト構成になっていない
これらを解決するのが、ヘルプデスク部門主導でのFAQサイト作成です。
質問と回答を入力するだけで簡単にFAQページが追加できるため、Webページを作るための専門知識も不要です。