問い合わせ対応業務とは、エンドユーザーからの問い合わせやクレームを受け付けて、その課題を解決するための一連の業務を言います。
問い合わせ対応業務は「社外からの問い合わせ」「社内からの問い合わせ」の2種類に大別できます。
顧客、消費者からの問い合わせに対応する一次対応部署として置かれる窓口での業務です。
など、一般のお客様向けの窓口が該当します。
「ECサイトで買った商品がいつ届くか知りたい」「テレビで紹介されていた新商品はいつから買えますか?」「ソフトウェアが急にフリーズしたがどうすれば良いか」などサービス・製品に対する問い合わせや、クレームなど、さまざまな問い合わせを受けることが特徴です。
企業内・組織内で、社内ヘルプデスクとして設置される窓口での業務です。
例えば、
など、「同じ組織で働く社員」の疑問、質問に対応する部署が該当します。
「業務用PCのパスワードを忘れてしまったがどうすれば良いか?」「有給休暇の残日数は?」「海外出張の旅費精算の仕方は?」など、具体的な業務の問い合わせが多いのが特徴です。
問い合わせ対応窓口の抱える課題を突き詰めると、「問い合わせ対応時間の削減」「対応品質の向上」の2点に集約されます。
コールセンタージャパン編集部が2019年に行った調査によると、コールセンター運営上の課題として、「オペレーターの採用・育成」が51.4%と、コールセンターにおいて「人材の確保」が大きな課題であることが浮き彫りになる結果となっています。
(参照:210社の実態に見る国内コールセンターの『現在地』 https://www.freshworks.com/freshdesk/ コールセンタージャパン・ドットコム)
社外・社内対応を問わず、「問い合わせ対応時間の削減」を目指す企業が増加している背景には、前述の通り日本において「オペレーターの採用・育成」が困難という事情があります。
1件あたりの問い合わせ対応時間を削減して、必要なオペレーター数自体を低減させようという考え方です。
また、社内向けのヘルプデスク業務においても、技術的な知見を持つ人材が同じような質問に答える時間を削減し、より生産性の高い業務に時間を当てたい、と考える企業が増加しています。
サッポログループの間接部門では、かつて業務の3~4割が問い合わせ対応となっていたことが課題で、チャットボットを導入することで情報システム部門の負担減を実現しました。
前述の調査では「対応品質の向上」が2番目の課題としてあげられています。
実際の現場ではオペレーターの定着率が悪いため、熟練のオペレーターとそうではないオペレーターに、応対品質の差が出やすい事が背景にあります。
このギャップを仕組みで是正しないと、顧客満足度はなかなか上がりません。
また、社内ヘルプデスク対応においても、専門性の高い業務であるほど答えがあるのがどこかわかりにくい、ベテラン社員からの技術・知識伝承がスムーズにいかないなどの課題があります。
多くの企業が抱える、「問い合わせ対応時間の削減」と「問い合わせ対応品質の向上」。
これらの課題を解決するために、問い合わせ対応システム・ツールの導入が検討されます。
問い合わせ対応システム・ツールの代表的な機能を紹介します。
E-mail、チャット、電話など複数チャネルの問い合わせを1つのシステム上に集約してスタッフ間で共有し、複数人での対応を効率よく行うための機能です。
ツールによっては、問い合わせ一件を「チケット」という概念で管理し、問い合わせ管理機能を「チケット管理機能」とも呼びます。
日本コールセンター協会の調査によると、近年、電話応対業務だけではなく、E-mail、Webフォーム、ソーシャルメディア業務、チャット業務など複数チャネルに対応するコンタクトセンターが増えています。
(参照:2019年度 コールセンター企業 実態調査 https://www.freshworks.com/freshdesk/ 一般社団法人 日本コールセンター協会)
複数チャネル対応が求められる現代では、問い合わせを一か所に集約して対応することが業務効率化のポイントとなります。
ITツールの利用を通して、さまざまなチャネルの問い合わせを一か所に集約し、ステータス管理、担当者への振り分け状況の見える化を行うことで、担当者ごとの対応状況が把握でき、適切な業務分担や情報共有を促すことが可能です。
カスタマーサポート部門主導でFAQサイトを製作、更新するための機能です。
顧客はFAQページを見ることで、問い合わせをすることなく自己解決ができるため、問い合わせ量の削減につながります。
従来、「よくある質問サイト」の制作は、Web担当部門で行われていました。
すると、
このような弱みがありました。
これらを解決するのが、カスタマー部門主導でのFAQサイト作成です。
質問と回答を入力し、カテゴリを選択するだけで簡単にFAQページが追加できるものが大半のため、Webページを作るための専門知識がいらないところがポイントです。また、実際に顧客対応を行うカスタマーサポート担当者がFAQを整理、公開することで、顧客視点で充実した内容のサイトを作れます。
Webページのポップアップ、業務システムにチャットボットを組み込み、顧客主導の対話によって課題解決を促す機能です。
Webサイトに訪れたユーザーはFAQサイトを回遊することなく、選択肢の質問に答えたり、自然文を入力したりすることで課題を解決でき、より距離感の近い課題解決ができます。
現在国内で展開しているメール共有システムは、主に以下3つに分類できます。
総合カスタマーサポートツールとして、問い合わせ管理とFAQ機能、チャット機能などを備えたツールです。
など、カスタマーサポートセンターの業務全体をシステム化できる機能が備わっています。
カスタマーサポート型の良さは、問い合わせ受付業務の導線設計を1つのツールで行えることです。
たとえばメールで受け付け、回答した質問をそのままFAQシステムに記事化することで、別のツールを行き来することなくカスタマーサポート業務を完結できます。
問い合わせ管理に特化したタイプです。
このタイプはさらに、
(1)複数チャネルに対応できるもの
(2)1つのチャネルに特化したもの の2つに分かれます。
(1)の場合、通常のメール共有機能に加え、複数のチャネルからの問い合わせに対応できる横断性が強みです。
ECモールと連携できるツールを選択すれば、「モールからの問い合わせにもメールと同じようにツール上で管理できる」などの使い方もできます。
(2)の場合、たとえばEメールや電話など、1つのチャネルに特化したサービスが強みで、よりきめ細かい管理や機能を備えていることが特徴です。
CRM(顧客関係管理システム)、SFA(営業支援システム)の一部として、問い合わせ管理機能があるタイプです。
顧客情報と紐付けて問い合わせ対応を行いたい企業に向いています。
初めての方におススメ
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「Freshdesk」 は、問い合わせ管理機能を内包したクラウド型の総合カスタマーサポートツールです。
顧客から届いたメール、チャット、通話などを「チケット」という概念で管理し、共通画面から対応状況を共有。チケット単位で優先順位や対応状況などのステータスを付与できます。Webページ上にチャットボットの設置も可能です。
さらに顧客の自己解決を促すFAQサイトを作成する機能、コミュニティフォーラムを作成する機能、チャット機能があり、作成したFAQページの閲覧数やユーザーからの評価を一目で確認できるレポート機能も備えています。
カスタマーサポートをはじめるために必要な機能を一式揃えた廉価なソフトウェアです。
無料トライアル:あり(21日間)
価格:$0~$99(1ユーザーあたり月額)※5プランにて展開
「Zendesk Suite」は、アメリカ発のクラウド型顧客管理システムです。世界150,000社以上、国内でも2,500社以上での導入実績があります。
問い合わせ対応全般を利用できる「Zendesk Support」、FAQサイトを作成する「Zendesk Guide」など5つのアプリがあり、それぞれを連携させることで顧客対応全般をサポートするシステムを構築できます。
たとえば、Zendesk Supportで受けた顧客からの問い合わせに対応した後、数クリックでZendesk Guideで作成したFAQページへ反映、という使い方ができます。
無料トライアル:あり
料金プラン:PROFESSIONALプラン $89/ENTERPRISEプラン$149 ※1ユーザーあたり月額
「kinetone」は、必要なアプリを組み合わせることで、業務アプリを作成できるクラウド型のグループウェアです。
問い合わせ管理機能、顧客管理機能、日報機能、、アンケート機能など豊富なアプリの他、APIやプラグインなど100種類以上の連携サービスを組み合わせて、自社に必要な顧客管理業務・営業支援ツールを作成できます。
無料トライアル:可能(30日間~)
価格:月額780円~/1ユーザーあたり(ライトコース)
月額1,500円~/1ユーザーあたり(スタンダードコース)
ツール名 |
無料トライアル |
1ユーザーあたりの最低月額 |
導入企業(一例) |
---|---|---|---|
メールディーラー |
〇 |
問い合わせ |
Hamee ヤッホーブルーイング 日比谷花壇 |
Re:lation (リレーション) |
〇 |
4,267円~ (3ユーザー、 2メールアドレスの場合) |
DMM.com 富士薬品 森永乳業 |
CSCloud |
〇 |
問い合わせ |
ソウルドアウト ファナティック |
メールワイズ |
〇 |
500円~ |
星野リゾート ココナラ ブックオフオンライン |
レストランボード |
〇 |
0円~ |
産地直送北海道 薬膳スープカレー・シャナイア 炭火焼肉酒家 牛角 静岡中央店 |
「メールディーラー」は、複数名でのメール共有・管理・対応を効率的に行えるクラウド型メールグループウェアです。導入実績は6,000社超。
E-mailのほか、LINE公式アカウント、電話、Twitterなど複数チャネルの問い合わせに対応しています。R-Messe問い合わせ管理(楽天市場)、Yahoo!ショッピング等各種ECサイトとの連携も可能です。
メールステータスを管理できる機能の他、返信中のメールにロックがかかり別のスタッフによる重複対応防止をする機能や、メール送信時に申請、承認フローを組み込む機能などを備えています。
無料トライアル:あり
料金プラン:問い合わせ
「Re:lation (リレーション)」は、2,200社以上に活用されているメール・LINE・Twitter・電話を一括で管理できるクラウド型カスタマーサポートツールです。
ECの問い合わせ管理に向いており、楽天等のモールから受信したメッセージも管理できるため、ツール間を行き来しなくて良いところがポイント。受注連携システムや、CRMツールとの連携も簡単にできます。
無料トライアル:あり(20日間)
料金プラン:4,267円~(ユーザー1人あたり月額)
※ユーザー3名、2メールアドレスの場合
「CSCloud」はLINE公式アカウントの共有に特化したカスタマーサポートツールです。
顧客からの問い合わせに即時対応できる自動応答チャットボットによりユーザーの自己解決を促し、必要な場合にのみオペレーターへ接続。複数拠点やリモートでのLINE公式アカウントの対応が可能です。
最新の応対履歴と過去の応対履歴を別のウインドウで同時に表示でき、履歴を遡る手間も省けます。
顧客との対応は自動でタグ付けができるため、属性に合ったセグメント配信が可能に。CVRの高いキャンペーン配信が期待できます。
無料トライアル:あり
料金プラン:問い合わせ
「メールワイズ」はチームでのメール対応を一元管理して効率化できるサイボウズのクラウド型メール共有、問い合わせ管理システムです。
メールの送受信、ステータス管理機能に加え、電話、チャットなどでのやりとりをコメントで追加できる機能を有します。
全体連絡用の掲示板機能もあり、たとえばメンバーの休暇情報など全体向けの通知も共有できます。
無料トライアル:あり(30日間)
料金プラン:スタンダードコース/500円(月額)※1ユーザーあたり。2ユーザーより契約可能
プレミアムコース/1,500円(月額)※1ユーザーあたり。2ユーザーより契約可能
「レストランボード」は、接客業に特化した予約問い合わせ対応ツールです。
インターネットの予約サイトと空席情報を自動連携し、予約管理を一元化します。また顧客台帳機能を備えているため、スタッフ間でのリピーター情報の共有も可能。お誕生日の声掛けなど、飲食店の「ファン」を増やすための集客サポートツールとしても利用できます。
無料トライアル:あり(30日間)
料金プラン:0円~(予約台帳機能
ツール名 |
無料トライアル |
1ユーザーあたりの最低月額 |
導入企業(一例) |
---|---|---|---|
Customa! |
× |
9,980円~ |
未公開 |
CRMate |
〇 |
5,500円~ |
タカハシキカイ 品川区役所 京急百貨店 |
「Customa!」は、従業員数5~100名程度向けのCRM/SFAシステムです。顧客管理のために必要なオールインワンの機能を備えており、その機能の一部として、問い合わせ管理機能があります。
カスタマーサポート部門というよりも、BtoB向け企業で、営業部門の顧客管理の一部として問い合わせ管理を行いたい方向けのツールです。
無料トライアル:なし
価格:ライトプラン:9,980円(税別)
プレミアムプラン:個別対応で要ご相談
「CRMate」は、問合せ情報や商談情報をはじめ、様々な情報を蓄積・情報共有できるアプリケーションサービスです。SaaS型/自社設置型の2種類で提供しています。
CRMateの機能は「問い合わせ管理機能」「商談管理機能」「オリジナル画面作成機能」など5種類。カスタマーサポートセンターだけではなく、さまざまな業務を一元化して情報共有することが可能です。
無料トライアル:なし
価格:SaaSプラン:5,500円~
ツール名 |
無料トライアル |
1ユーザーあたりの最低月額 |
導入企業(一例) |
---|---|---|---|
KARTE |
なし |
問い合わせ |
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