お問い合わせ管理システムとは、お問い合わせ内容・返信履歴・進捗等の情報を複数人で共有・管理するためのシステムです。導入することで、カスタマーサポート部門にて、お客様対応スタッフのお問い合わせ対応業務を効率化し、迅速・的確に行うことができます。
お問い合わせ管理システムの知識をさらに深めたい方向けに、日本における代表的なお問い合わせ管理システムとその選定方法についてお伝えします。
お問い合わせの数が少ないうちは、エクセルをお問い合わせ管理システムとして利用し情報共有することで、お問い合わせ管理を行う企業がほとんどです。
上記のような情報をエクセルの一覧表で管理します。
たしかにお問い合わせが少数かつ関わるスタッフが1~2名であれば、お問い合わせ管理システムはエクセルでも十分かもしれません。
しかしオペレーターの人数が増加すると、エクセル管理ではさまざまな課題が生じます。
エクセルファイルは同時に複数のスタッフがファイルを編集するのに向いていません。リアルタイムに最新の情報を共有できない、ファイルにロックがかかってしまい同期するための手間が必要など、業務効率が低下する可能性があります。
ある担当者が休暇の際に、その担当者とやりとりしていた顧客からお問い合わせが入った場合、細かい情報の共有が十分ではなく、お客様を待たせてしまったり、これまでの経緯を踏まえた回答ができずにミスコミュニケーションが発生したりする可能性があります。
蓄積したお問い合わせ件数が千件を超えると、ファイルサイズが大容量化し、操作が重くなり、そもそもファイルを開くまでに時間がかかるなど、業務に支障を来たすリスクがあります。
これらの課題を克服するためのツールとして、複数スタッフによるお問い合わせ管理システムが開発されています。
一般的なお問い合わせ管理システムには、以下のような機能があります。
エクセルでの管理と比べ、複数スタッフによるお問い合わせ管理~対応状況のレポーティングまで1つのツールで完結でき、簡単に情報共有ができる機能が備わっていることが特徴です。
お問い合わせ管理に特化したシステムを導入することで、従来の管理方法が抱えていた課題が克服できるようになりました。
お問い合わせ管理システムを運用する課題は、「なるべく自社の業務に合った便利なシステムを導入すること」です。
日経BPコンサルティングがビジネスパーソンと企業等のシステム担当者を対象に行った調査によると、約7割が勤務先のお問い合わせ管理システムに「不便」と回答しています。
この調査にみられるように、そもそも、「電子メールを中心としたお問い合わせ管理システムを現場に押し付けることそのものに限界がある」ことを前提とした上で、目的に合ったお問い合わせ管理システムを選択することが重要です。
そもそもお問い合わせ管理システムには大きく分けて3つの種類があります。
お問い合わせ管理システムの種類 | 特徴 |
---|---|
総合カスタマーサポートツール型 | メール共有対応、FAQ作成、チャット等の幅広い機能を有する |
Eメール特化型 | メール共有のみに特化 |
マルチチャネル対応型 | メール、電話、お問い合わせフォーム、SNS、ECサイト経由のお問い合わせ等を一か所に集約 |
お問い合わせ管理システムが必要になる経緯は様々ですが、ここでは以下のように3つのパターンに整理をしています。
(a)顧客とはメールのやり取りが中心で、主に「受注後」のやり取りを想定する場合
→ 総合カスタマーサポートツール型
(b)顧客とはメールのやり取りが中心で、主に「受注前」のやり取りを想定する場合
→ Eメール特化型
(c)Eメールの他、チャット、LINE、SNS等様々なチャネルからのお問い合わせが想定される場合
→ マルチチャネル対応型
総合カスタマーサポートツールの一部として、お問い合わせ管理機能を備えたツールです。
主に受注後の顧客に対するやり取りが想定される場合に最適です。
総合カスタマーサポートツール型のメリットは、お問い合わせを起点として総合的にカスタマーサポート業務を効率化できることです。
たとえばメールで受け付けたお問い合わせを、そのままFAQシステムに記事化するなど、「先回り」を見据えた業務の導線設計もできます。
メールでのお問い合わせ管理に必要な基本機能を揃えたツールです。
メールフォームからのお問い合わせ対応、予約フォームの受付など、受注前のメール対応が主のコンタクトセンター業務に向いています。
などを備えています。
機能は限定的ですが、その分従来のメールソフトのようなデザインを採用して、現場が順応しやすい仕様のツールが多いのも特徴です。
メールの他、SNS、チャット、電話等マルチチャネルのお問い合わせに対応することを主眼においたお問い合わせ管理システムです。
マルチチャネルからのお問い合わせを一か所に集約できるのが強みです。
ECサイトを運営する企業では、ショッピングモールに連携しているものを導入することで、「モールからのお問い合わせにもメールと同じようにツール上で管理できる」といったメリットもあります。
「Freshdesk」は、問い合わせ管理機能を内包したクラウド型の総合カスタマーサポートツールです。
顧客から複数チャネルで寄せられた問合せメール、チャット、通話などを「チケット」という概念で管理し、共通画面から対応状況を共有。
チケット単位で優先順位や対応状況などのステータスを付与できます。
さらに顧客の自己解決を促すFAQサイトを作成する機能、コミュニティフォーラムを作成する機能もあり、作成したFAQページの閲覧数やユーザーからの評価を一目で確認できるレポート機能も備えています。Webページ上にチャットウィンドウの設置も可能です。
カスタマーサポートをはじめるために必要な機能を一式揃えた廉価なソフトウェアです。
無料トライアル:あり(14日間)
「Zendesk Support」は、アメリカ発のクラウド型問い合わせ管理システムです。世界150,000社以上、国内でも2,500社以上での導入実績があります。
メール、電話、チャットなどマルチチャネルの問い合わせ管理機能の他、平均回答速度を確認できる分析、レポート機能も搭載しています。
また、別アプリの「Zendesk Guide」を組み合わせて利用することで、FAQシステム機能を本格的に利用でき、顧客の問い合わせからFAQページを作ることも可能です。(Zendesk Supportには、Zendesk GuideのLite版を搭載)
無料トライアル:あり
料金プラン:$5~$199 ※4プランにて展開(ユーザー1人あたり月額)
「kinetone」は、問い合わせ管理システムというよりも、問い合わせ管理に必要なアプリを組み合わせることで、業務アプリを作成できるクラウド型のグループウェアです。
顧客管理、問い合わせ管理、日報機能、アンケート機能など豊富なアプリの他、APIやプラグインなど100種類以上の連携サービスを組み合わせて、自社に必要な顧客管理業務・営業支援ツールを作成できます。
無料トライアル:可能(30日間~)
価格:月額780円~/1ユーザーあたり(ライトコース)
月額1,500円~/1ユーザーあたり(スタンダードコース)
「Microsoft Dynamics 365」は、日本マイクロソフト株式会社による、国内シェアナンバー2のSFA/CRMスイートです。
Microsoft Dynamics 365 Customer Serviceでは、問い合わせ管理、セルフサービスポータル、メールルーティング、ナレッジ管理などCRM機能全般を提供。
Microsoft Dynamics 365 Salesでは、顧客管理、商談管理、活動管理、ダッシュボードなど営業支援に必要な機能を一通り備えています。
使い慣れたOffice製品との互換性が良いところも特徴です。Windows、iOS、Android モバイル デバイス向けのアプリに対応。
無料トライアル:試用版あり(30日間利用可能)
価格:Customer Service Professionalプラン ¥5,440/月~
「Customa!」は、従業員数5~100名程度向けのCRM/SFAシステムです。顧客管理のために必要なオールインワンの機能を備えており、その機能の一部として、問い合わせ管理機能があります。
カスタマーサポート部門というよりも、BtoB向け企業で、営業活動、顧客管理の一部として問い合わせ管理を行いたい方向けのツールです。
無料トライアル:なし
価格:ライトプラン:9,980円(税別)
プレミアムプラン:個別対応
ツール名 |
無料トライアル |
1ユーザーあたりの最低月額 |
導入企業(一例) |
---|---|---|---|
メールワイズ |
〇 |
500円~ |
星野リゾート ココナラ ブックオフオンライン |
CSCloud |
〇 |
問い合わせ |
ソウルドアウト ファナティック |
yaritori |
〇 |
問い合わせ |
未公開 |
エムアイ・メール |
〇 |
9,800円~ ※初期費用24,800円 |
慶應義塾 さくらインターネット ソフトバンクコマース&サービス |
「メールワイズ」はチームでの問い合わせメール対応を一元管理して効率化できる、クラウド型メール共有システムです。
メールの送受信、ステータス管理機能に加え、電話、チャットなどでのやりとりをコメントで追加できる機能を有します。
全体連絡用の掲示板機能もあり、たとえばメンバーの休暇情報など全体向けの通知も共有できます。
無料トライアル:あり(30日間)
料金プラン:スタンダードコース/500円(月額)※1ユーザーあたり。2ユーザーより契約可能
プレミアムコース/1,500円(月額)※1ユーザーあたり。2ユーザーより契約可能
「CSCloud」はLINE公式アカウントの共有に特化したカスタマーサポートツールです。
顧客からの問い合わせに即時対応できる自動応答チャットボットによりユーザーの自己解決を促し、必要な場合にのみオペレーターへ接続。複数拠点やリモートでのLINE公式アカウントの対応が可能です。
最新の応対履歴と過去の応対履歴を別のウインドウで同時に表示でき、履歴を遡る手間も省けます。
顧客との対応は自動でタグ付けができるため、属性に合ったセグメント配信が可能に。CVRの高いキャンペーン配信が期待できます。
無料トライアル:あり
料金プラン:問い合わせ
ツール名 |
無料トライアル |
1ユーザーあたりの最低月額 |
導入企業(一例) |
---|---|---|---|
Re:lation (リレーション) |
〇 |
4,267円~ (3ユーザー、 2メールアドレスの場合) |
DMM.com 富士薬品 森永乳業 |
メールディーラー |
〇 |
問い合わせ |
Hamee ヤッホーブルーイング 日比谷花壇 |
レストランボード |
〇 |
0円~ |
産地直送北海道 薬膳スープカレー・シャナイア 炭火焼肉酒家 牛角 静岡中央店 |
desknet's CAMS |
〇 |
30,000円~ |
福島信用金庫 扶桑化学工業 ABC Cooking Studio |
「Re:lation (リレーション)」は、2,200社以上に活用されているメール・LINE・Twitter・電話を一括で管理できるクラウド型カスタマーサポートツールです。
ECの問い合わせ管理に向いており、楽天等のショッピングモールから受信したメッセージも管理できるため、ツール間を行き来しなくて良いところがポイント。受注連携システムや、CRMツールとの連携も簡単にできます。
無料トライアル:あり(20日間)
料金プラン:4,267円~(ユーザー1人あたり月額)
※ユーザー3名、2メールアドレスの場合
「メールディーラー」は、複数名でのメール共有・管理・対応を効率的に行えるクラウド型メールグループウェアです。導入実績は6,000社超。
E-mailのほか、LINE公式アカウント、電話、Twitterなど複数チャネルの問い合わせに対応しています。R-Messe問い合わせ管理(楽天市場)、Yahoo!ショッピング等各種ECサイトとの連携も可能です。
メールステータスを管理できる機能の他、返信中のメールにロックがかかり別のスタッフによる重複対応防止をする機能や、メール送信時に申請、承認フローを組み込む機能などを備えています。
無料トライアル:あり
料金プラン:問い合わせ
「レストランボード」は、接客業に特化した予約管理対応ツールです。
インターネットの予約サイトと空席情報を自動連携し、予約管理を一元化します。顧客台帳機能を備えているため、スタッフ間でのリピーター情報の共有も可能。お誕生日の声掛けなど、飲食店の「ファン」を増やすための集客サポートツールとしても利用できます。
無料トライアル:あり(30日間)
料金プラン:0円~(予約台帳機能)
「desknet’s CAMS」は、電子メールと電話窓口をサポートするWebベースの問い合わせ管理システムです。
Webベースのわかりやすいインターフェースで、E-mailと電話の問い合わせ管理、顧客管理、ダイレクトメール発送管理などの機能が利用できます。
無料トライアル:あり(30日間利用可能)
価格:150,000円/5ユーザ~(desknet's CAMS+PostgreSQLプラン)など、利用数とデータベース形式に応じたプランを展開
初めての方におススメ
$0
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急速に成長する企業向け
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$59
/ エージェント毎の月額(年額料金)
$71
/ エージェント毎の月額(月額料金)
FreshdeskのSupport Desk、Messaging、Contact Centerを含む、Proに含まれる全機能を備えています
エンタープライズクラスのサポート
$99
/ エージェント毎の月額(年額料金)
$119
/ エージェント毎の月額(月額料金)
FreshdeskのSupport Desk、Messaging、Contact Centerを含む、Enterpriseに含まれる全機能を備えています
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