顧客ロイヤルティを向上させるには
顧客ロイヤルティを数値化する
顧客ロイヤルティを向上させるためには、現状把握と目標設定が重要です。
顧客ロイヤルティの度合いを測定する際は、次のような指標を用います。
顧客満足度
顧客満足度は顧客ロイヤルティの代表的な指標です。
顧客満足度とは、サービスや製品に対して顧客がどの程度満足しているかを測る指標です。
顧客ロイヤルティは顧客満足度だけでは測れませんが、他の指標と組み合わせて分析に使用します。
NPS®
NPS®とは、Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)の略で、顧客推奨度を測る指標の1つです。
顧客推奨度とは、製品やサービスを他の人にお勧めしたいかどうかを数値化したものです。
商品やサービスをリピートしたいか?友人にオススメしたいか?などのアンケートを実施し、数値化します。
NPSの計測は新商品のリリース後やサービス内容を変更した際などに実施され、顧客満足度と合わせることで顧客ロイヤルティを計測することができます。
Appleストアを成長させたロン・ジョンソン氏は、「NPS®はアップルに自然になじみました。NPS®はアップルストアのDNAの一部になっています。」と語っています。
下表はスマートフォンブランドごとの購入の決め手について2017年にNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが調査した結果です。
購入の決め手となった情報源は、全体では「メーカーのホームページ」が24.3%でトップなのに対し、iPhoneは「家族や友人・知人からのお薦め」が45.2%と突出して高く、iPhoneの高いNPSが売上に直結している事がわかります。
(画像引用元:周囲に薦めたいスマホ、iPhoneが圧倒! 15項目中14項目の満足度で業界トップ! https://www.freshworks.com/freshdesk/ iPhone Mania )
LTV
LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)は、1人の顧客がサービスの利用を開始してから終了するまでの期間に、どれだけ利益をもたらすか、収益の総額を算出するための指標です。
顧客ロイヤルティが高ければリピート率が高くなり、LTVは向上します。そのため、改善指標ではなく目標設定の指標として利用されるケースが一般的です。
継続して計測を行う事が重要
顧客ロイヤルティを観測するための3つの指標は、継続して定期的に計測を行うことが重要です。
各数値の推移を分析することで、改善点や施策の効果を明確にすることができます。
ロイヤルティを高めるCXの設計
顧客ロイヤルティを高めるためには、CX(カスタマーエクスペリエンス=顧客体験)の改善が必要不可欠です。
カスタマーエクスペリエンスは、企業や製品などブランドのイメージ向上を目的として、顧客が購入を検討する段階から契約・購入後のアフターフォローまで、あらゆるフェーズにおける満足度を向上させるための取り組みのことを指します。
このような一連の体験を改善するためには、どのフェーズの顧客体験がどの程度顧客ロイヤルティに影響するのかを数値化し、優先的に改善すべき顧客接点を発見することが重要です。
特にロイヤルティ改善への貢献度が高いとされるのは、商品・サービス購入前後のフェーズの顧客体験を改善することです。
高い顧客ロイヤルティを背景に成長を遂げたApple社のカスタマーサポートは、SNSなどで「神対応」としてたびたび話題を呼び、市場シェアを勝ち取ることに成功しました。