カスタマーサポートの品質を向上させるためには、目標の設定が重要です。
目標設定にあたっては、「KGI」「KPI」という2つの指標がよく用いられます。
KGIは「Key Goal Indicator」の略で、日本では「重要目標達成指標」と訳されます。
一方、KPIは「Key Performance Indicator」の略で、「重要業績評価指標」を意味します。
一般的には、企業や部門としての最終的なゴールがKGI、その過程で達成すべき部門ごとの目標としてKPIが用いられます。
カスタマーサポート部門では、KGIとしてLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)が設定され、LTVを高めるためにいくつかのKPIが設定されるのが一般的です。
カスタマーサポートの中でも特に重要なKPIが解決率です。解決率には3種類の評価基準があります。
(1)最終解決率:問い合わせ数に対して最終的に解決した問い合わせの割合
(2)ワンコール解決率:エスカレーションや折り返しによる連絡があったとしても、同一案件で再コール無く解決した割合
(3)一次解決率:エスカレーションや折り返しによる連絡が無く、初回のコンタクトで解決した割合
特に重視すべきは「一次解決率」です。「一次解決率」は顧客満足度向上に最も寄与すると言われています。
しかし、問い合わせが簡単な内容に偏っている場合にも一次解決率は高くなりますので、一次解決率だけをKPIとすることは推奨されていません。
平均解決時間はユーザーからの問い合わせに対し、解決までにどれほどの時間がかかってしまったか、ユーザーをどれだけ待たせてしまっていたかを確認する指標です。
解決時間をKPIとする場合、あらかじめ解決の判断基準について決定しておく必要があります。多くの場合、追加の問い合わせが発生しなくなるまでの時間を計測します。
平均一次応答時間は、問い合わせに対して1回目の返信をするまでの時間を指します。
初回の返信が早いほど企業に対するユーザーの評価が上がる傾向にあるため、ほとんどのカスタマーサポート部門で重要視されるKPIです。
1つの問い合わせに対して、解決までにユーザーとやり取りした回数を計測します。
やり取りの回数が多くなってしまうほど解決時間が延びてしまい、ユーザーにとってストレスを与えかねません。
やり取り回数の平均が下がれば下がるほど、ユーザーをスムーズに問題解決に導けていると判断することができます。
1つの問い合わせに対して、エスカレーション を行った回数を計測します。
エスカレーションは多くなってしまうと解決時間が伸びてしまい、顧客とのやり取り回数が多くなってしまうため、顧客満足度の低下につながります。
顧客満足度 とNPS® は、ユーザーからアンケートを取ることで計測します。
問い合わせ対応が完了した際、「今回の対応はいかがでしたか?」というアンケートを送信することで調査を行うのが一般的です。
他のKPIとの関連が深く、改善策の方向性が間違っていないかを確認できるため、カスタマーサポート部門に欠かせないKPIとなります。
カスタマーサポート部門のKPIを測定する上で重要なのは、継続して計測することです。
KPIを達成するためには、日々の業務を遂行する上でさまざまな改善策を講じることになります。
改善策が正しいかどうかを判断するためには、測定値を時系列で比較することが重要です。
例えば、エスカレーション件数を減らすためにオペレータのトレーニング時間を増やす施策を行った場合、トレーニングが実施されるにつれて平均エスカレーション回数が下がっているかどうかを確認しましょう。
カスタマーサポート部門では、複数の指標を組み合わせてKPIを設定し、定量的に分析する必要があります。
具体例として挙げられるのが、一次解決率です。
簡単な問い合わせが増加するサービスリリース期や繁忙期には、設定した一次解決率の目標をすぐに達成してしまう可能性があります。また、複雑な問い合わせだけを扱うようにFAQサイトを強化すると、連動してKPIが達成できなくなるケースもあります。
このように、一次解決率だけを指標とすると、他の理由でKPIの達成に影響が出てしまい施策の成否を正しく評価できないため、一次解決率とともに、解決時間やエスカレーション回数をKPIとして設定する必要があります。
同様に、エスカレーション回数を減らすためにオペレータのトレーニング時間を増やす施策を行った場合は、平均エスカレーション回数の計測に加えて平均解決時間や平均一次対応時間にどのような影響を与えたか(増加しすぎていないか)、なども合わせて確認し、実施した施策の成否を正確に評価すべきです。
カスタマーサポート部門のKPIはエクセルなどの表計算ソフトで集計して計測することも不可能ではありませんが、複数のKPIを常に計測するには不向きです。
エクセルはリアルタイムでの集計ができませんので、マネージャーがその日のスタッフのパフォーマンスを評価したい場合などには対応できません。
また、顧客対応のたびにオペレータに業務報告を求めることになり、余計な業務を増やすことにもなります。
そのため、カスタマーサポート部門におけるKPI測定は、問い合わせ管理ツールで計測と分析を自動化することをおすすめします。
Freshdeskは、KPI計測を自動化する優れたレポートダッシュボードを備えた問い合わせ管理 ツールです。
Freshdeskのパフォーマンスレポートは、応答時間や解決率などの問い合わせ対応状況をリアルタイムに可視化します。
多彩なフィルタ機能を活用することで、オペレータごとに解決時間を測定したり、問い合わせが増加する時間帯や曜日に限定した平均一次解決率を分析したりすることも可能です。
さらに、重要な指標をピックアップしてPDF化し、指定した宛先に定期的にメール送信するスケジュール機能にも対応しています。
Freshdeskは顧客満足度やNPS®の調査と集計機能を兼ね備えたヘルプデスクツールです。
アンケート作成から実施、集計分析までをヘルプデスクツール上で完結させることができ、管理者だけでなくオペレータに共有することも可能です。
ユーザーアンケートやNPS®は定期的にスケジューリングして実施することが可能で、実施した施策の成否を時系列で比較して判断するのに役立ちます。
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