コールセンタージャパン編集部が2019年に行った調査によると、コールセンター運営上の課題として上位に挙げられていたのは、「オペレータの採用・育成」「品質向上」「スーパーバイザーの採用・育成」でした。
コールセンターよりもさらに多様なチャネルからの問い合わせを受け付けるヘルプデスクやサービスデスクでは、これらの課題がより顕著なものとなります。
日本のコールセンターは離職率の高い職場といわれており、入社一年以内の離職率が7割を超える企業が全体の1/4を占めています(月刊コールセンタージャパン2019年1月号の調査 )。
オペレータ業務に従事する人材の確保は、年々困難になるばかりです。
結果として顧客対応部門では、オペレータ業務未経験者の採用が中心となっています。
こうした新人オペレータをいかに速やかに戦力化するかが、ヘルプデスクやサービスデスクの課題です。
ヘルプデスクにおける対応品質は、問い合わせのクローズ率とクローズ時間によって計測されます。
問い合わせのクローズ率は、受付を行った問い合わせのうち解決したものの割合を指し、クローズ時間は受付から解決までにかかった時間を指します。
対応が長期化しやすい問い合わせ種別をピンポイントで特定し、対応方針を策定することが重要です。
顧客対応部門のスーパーバイザーは専門的な職種で、経験者を採用することが難しいため、多くの場合経験の浅い社員をスーパーバイザーとして育成する必要があります。
そのため、オペレータのタスク管理やシフト作成などの基本業務を可能な限り自動化して、多忙なスーパーバイザーの負担を軽減することが重要です。
オペレータの採用・育成には、ナレッジベースの構築とチャットボットの導入が効果的です。
ナレッジベースを構築し対応方法を共有することで、オペレータはナレッジベースを参照し速やかに問い合わせ対応を行うことが可能になります。
熟練度の低いオペレータでも、ベストプラクティクスとしてナレッジベースを活用すれば、他のオペレータ同様に対応できます。
また、ナレッジベースに蓄積されたノウハウは、新人オペレータの研修にも利用することができます。
さらに、ナレッジベースは顧客向けFAQサイトとして活用することもできます。
よくある問い合わせをFAQとして公開することで、軽微な問い合わせに対しての自己解決を促すことが可能です。
それにより問い合わせ量が削減され、より少数のオペレータでヘルプデスクを運用できるようになります。
同様に、チャットボットも問い合わせ量の削減に効果的です。
チャットボットとは、Webページのポップアップや業務システムにチャットウインドウを組み込み、あらかじめ用意されたシナリオに基づいて顧客自身での課題解決を促す機能です。
本来、FAQやチャットボットの導入は能動的な情報発信をミッションとしないヘルプデスク部門の業務範囲を超えたものです。
しかし、結果としてヘルプデスク業務の効率化を目指すのであれば、必然的にこれらを検討せざるを得ません。
ヘルプデスク部門をサービスデスク部門へ移行する企業が増加しているのも、このような背景によるものです。
品質向上を行うためには、問い合わせのクローズ率やクローズ時間を計測することが重要です。
クローズ率が低い場合は、
などを分析することで、改善すべき業務フローが明確になります。
また、クローズまでの時間が長い場合は、
などを特定し、ナレッジベースや顧客向けFAQサイトに掲載するなどの対策を検討すべきです。
日本コールセンター協会の調査によると、近年、電話応対業務だけではなく、E-mail、Webフォーム、ソーシャルメディア、チャットなど複数チャネルに対応するコンタクトセンターが増えています。
(参照:2019年度 コールセンター企業 実態調査 https://www.freshworks.com/freshdesk/ 一般社団法人 日本コールセンター協会 )
責任者であるスーパーバイザーは、あらゆるチャネルから寄せられる問い合わせの対応状況を常時監視し、スタッフのタスクを管理しなければなりません。
膨大な問い合わせを人力で管理するには限界があるため、問い合わせ管理システムを導入して一元管理する必要があります。
問い合わせ管理システムは、スーパーバイザーに代わってオペレータにタスクを自動で振り分け、対応状況を可視化します。
問い合わせ管理システムにはオペレータのシフト作成業務を自動化する機能が備わっていると、よりスーパーバイザーの業務負荷が軽減されるでしょう。
Freshdeskは、リッチテキストエディタで利用可能なナレッジベース機能を無料で提供する数少ない問い合わせ管理ツールのひとつです。
誰でも簡単に、画像や動画を活用した問い合わせ対応事例のナレッジベースを構築できます。
オペレータがボタンひとつで対応履歴をナレッジベースに登録することも可能です。
作成したナレッジベースは、社内向けに限定公開するだけでなく、FAQサイトとして社外に公開することもできます。
Freshdeskなら、コーディング不要でチャットボット を設置することができます。
自然言語処理 (NLP) を使用して顧客が何を求めているかを理解し、必要があればナレッジベース(FAQ)から記事を引用して問題解決を支援します。
ボットが想定していない難しい質問が投げかけられた場合は、オペレータによる対応に切り替える機能も備わっています。
Freshdeskのレポート機能は、応対内容やスタッフの業務量を自動で分析し、業務フローの改善点を明確にします。
問い合わせ種別ごとにクローズ率やクローズ時間を確認すれば、問い合わせ品質を改善するためのポイントを瞬時に把握することができます。
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