ペインポイント(Pain Point)とは、想定顧客の悩みの種のことを指します。「ペイン」とは「痛み」を意味し、その痛みを取り除くためにお金を払ってでも解決したい悩みが「ペインポイント」です。
ペインポイントの分析は、新規事業創出や既存サービスの顧客定着率改善のために活用されます。
ペインポイントと似た概念にゲインポイント(Gain Point)があります。
ペインポイントは顧客の悩みや不満を解消しマイナスの状態をゼロへ戻すためにアプローチするポイントですが、ゲインポイントは悩みや不満がない状態の顧客に付加価値を与えるというゼロをプラスにするアプローチをするためのポイントです。
例えば、「顧客管理を楽にしたい」というニーズを考えた場合、「ツール導入にあたって営業の説得が面倒」というのはペインポイントです。一方で「メールマーケティングにも活用できる」という付加価値はゲインポイントとなります。
ペインポイントとゲインポイントの発見には、顧客体験をカスタマージャーニーマップ化する方法が用いられます。
カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを知り、実際に購入し、サービスを利用した後はどうだったかという一連の流れを指します。カスタマージャーニーマップはその流れを図案化したものです。
顧客がたどる一連の流れが感情・行動・接点の観点で時系列に表現されます。
カスタマージャーニーマップの構成内容は以下の通りです。
段階 |
認知・興味関心、情報収集、共有、参加、継続的接触 |
顧客接点 |
シーン、チャネル、タッチポイント(When) |
顧客行動 |
行動(What、Where、How) |
顧客心理 |
思考、感情(Who、Why) |
調査サマリ |
主な定性的データ(自由回答)、主な定量的データ(回答結果) |
課題 |
ビジネス側の課題 |
(参考:Web担当者Forum「カスタマージャーニーマップとは? UX向上を達成する7つの事例と作成方法」)
カスタマージャーニーの中で、ユーザーの感情曲線が下がっているところ、これが「ペインポイント」で、優先的に取り組むべき課題を意味します。
「なぜこの課題が起こっているのか?」を深掘りすることでペインポイントが見えてきます。
また、顧客の検討段階やサービスの利用期間によってペインポイントが異なる事もよくあります。顧客の状況に応じた様々なペインポイントを発見できるのもカスタマージャーニーマップのメリットです。
損害保険ジャパン日本興亜株式会社では、「カスタマー・エクスペリエンスの向上」を最重要課題として、実際に顧客に起きた事柄を元に、顧客の行動を逆算しながらカスタマージャーニーマップの作成を始めました。
2017年から本格的に着手し、2018年秋時点で20件以上のカスタマージャーニーマップを作成し、ペインポイントを明確に可視化することに成功しました。コールセンターに寄せられる実際の問い合わせに基づいてカスタマージャーニーマップを作成した事が特徴です。
取り組みは同社における全国のコールセンターに波及し、CXの向上に活用されています。
(参考:MarkeZine(マーケジン)「コールセンターこそCX向上の鍵を握る!損害保険ジャパン日本興亜の奮闘とカスタマージャーニーマップ活用」 )
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